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問題解説
Motion of two objects
~ thinking from position of center of gravity~
Tokyo University
(1)
(1) 力学的エネルギー保存則より
・・・・答え
(2) 小球Aが最下点に達したときの2物体とひもに加わる力は以下の通り
この瞬間までは小球Aは円運動をしているので、Aに関する円運動の
運動方程式は
・・・・答え
※ 問題文では張力の“大きさ”を求めよ、とある(向き不問)。運動方程式を立てる際、図の上・下いずれの方向を正にとっても支障はない。上記では上向きを正としている。
~学力向上ラボ~
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【解説・解答】
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(3) (2)の結果より、小球Aに加わる張力は上向きに3mg、下向きにはAの自重mgが加わっているのでAの加速度をaとすると運動方程式は
鉛直上向きに大きさ2g・・・・答え
(4) Bを離した直後からは、小球Aと小球Bとひもを一纏めとした2物体運動として考える(紐の質量は無視できるので、AとBの2物体)。
S
S
S
S
※ 張力Tは物体内部に互いに作用・反作用の関係で作用する内力と見なすことができる。重心位置に残る力は鉛直下向きに2mg、2物体系に関する運動方程式は加速度をαとすると
鉛直下向きに大きさg・・・・答え
(5) (4)の結果より、重心位置Gの加速度は鉛直下向きにg、t=0における速度(初速)を求めれば運動の初期条件が分かる。Aは水平右向きにv((1)で既出)、Bは0なので、重心位置Gの初速と併せて以下のようになる。
重心Gに対するAとBの相対速度はそれぞれ
A:水平右向きに
B:水平左向きに
・・・・答え
Point
注目すべきは小球AとBの重心位置、全体の重心位置Gの3点。AとBに関しては初速の大きさと向きが分かっているため、残りGの初速は三角形を作れば中点連結定理よりV/2と分かる。
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t=0
より
・・・・答え
・・・・答え
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(6) (5)の結果より、t=0において、重心位置Gから見たAとBは反対向きの初速を持ち、かつ張力Sが物体全体の内力として作用する(大きさが一定という保証がないため、大きさをSとしています)。
(下の図から物体はGを中心とした円運動でなるであろうと推測ができると思います)
Point
① 小球AとBに加わる力を検討する
② (5)より「重心位置Gから見た」という観点から、Gから見たAとBの力として見る
→ 慣性力として見ることになる。
(7) Gから見たAとBには慣性力mβが作用している。これらは自重mgと打ち消し合う。よって、物体は速さv/2をもつ等速円運動をすることが分かる(張力Tは円運動の向心力として時間によらず一定であるこも分かる)。
よって、小球A(Bでも可)に関する円運動の運動方程式は
(7) t=0においては以下の状態になる。
小球AとBのt=0における加速度の向きと大きさはそれぞれ
A:0
B:鉛直下向きに2g
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・・・・①
・・・・②
・・・・答え
t=0
・・・・答え
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(8) (6)の結果より、物体は等速円運動をすることが分かる。題意は円運動の周期の4分の1である。周期をT、円運動の角速度をωとすると
①、②式から求める時刻は
(9) 物体全体は、水平右向きに初速v/2、鉛直下向きに当加速度gを持つ放物運動、小球Aは速度v/2、回転半径l/2の等速円運動である。t=0において、重心位置をGを原点に定義し、水平(x軸)・鉛直(y軸)平面上の放物線はGが描く軌跡とする。
B
B
A
t=T/4
A
t=T/2
B
A
B
B
t=T
A
A
t=3T/4
時刻tでの重心Gの水平位置をxとすると
時刻tでの重心Gに対する小球Aの水平位置は
なので、時刻tでのAの水平位置xaは
まとめ
2物体運動の位置・速度・加速度は原則ひとまとめにした物体の重心位置で考察します。2つの物体のそれらについては、重心から見た相対的な計算で求めることが可能だからです。つまり
Point
重心:絶対的な位置・速度・加速度として求める
その他物体:重心から見た(重心を基準とした)相対的な位置・速度・加速度を求める
この手順が基本線です。2物体と聞くと「難しそう…」と思う方もおられるかもしれませんが、やるべきことを理解すれば入試問題は解けるように作られています。ちなみに、今回のポイントはBを手放した瞬間の張力の大きさだと思います。Tのままかな…と思うかも知れませんが、明確な理論を持てないものは解いてしまう方が速いです。これもちょっとした“コツ”ですね。東大だからと言って、“難しい”、“解けない”という先入観は捨てましょう!
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