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~学力向上ラボ~

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問題解説

岡山進学研究塾

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・・・・・・ ⓪

・・・・・・ ⓪’

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岡山で理系に強い岡進研の

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フェルマーの最終定理(n=3)の証明

フェルマーの最終定理

3以上の自然数nに対して

を満たす自然数(x,y,z)の組は存在しない

自然数nに対する一般的な証明までの流れは以下をご参照ください。世界中の​数学者が数百年かけてやっと辿り着いた長い旅路です。

n=3の場合のフェルマーの最終定理の証明

証明の前にn=1のとき、n=2のときはどうでしょうか?

n=1のとき

①を満たす自然数(x,y,z)の組は無数に存在する。

n=2のとき

⓪’を満たす自然数解は例えば

(x,y,z)=(3,4,5),(5,12,13)などが挙げられる。

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z

x

y

平方数の和と言えば、三平方の定理が出てくると思います。

Blue Sky

それでは、証明に入ります。今回の証明法は大学レベルの知識を用いずとも、高​校数Ⅱまでの知識で対処可能という強みがございます。ちなみに、この証明法は​前職のブログでも記載したことがあるものです。

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・・・・・・ ①

,

のとき

より不適。

,

のとき

,

のとき

が成立する。

Sketch Bracket Line
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n=3の場合のフェルマーの最終定理の証明

整数×整数=整数×整数の形を作れば、

条件を満たす整数(自然数)組は限定される

①式を因数分解すると

Red Background

答えに近づくことができる

以下の4つに場合分けをする。

Blue Sky

(ⅰ)

(x,y)は自然数につき、

つまり

条件から分かることを整理する

Red Background

(ⅱ)

上記2式より

(x,y)は自然数につき、不適。

二つの式を連立させ、式変形

一つの結論が導き出される

(ⅲ)

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ワンポイント

2式から

として解こうとすると、計算が面倒になります。

そこで、分かっている条件から不等式を作って絞り込むという流れで進めます。

Defocused lights background (yellow)

(x,y,z)は自然数、もし

が成立するならば

が成立する。よって

さらに、z>x、z>y、2式を掛けると

と併せると

(x,y)は自然数ゆえ、上式を満たすには

(x-1),(y-1)の少なくとも一方は0でなけ​ればならないことが分かる。

xとyには式に対象性があるため、いずれか​が0になる場合と、両方とも0になる場合と​に分ける。

Zを消去し、(x,y)のみの不等式を作る

(x,y)に関する絞り込みが可能となる

Yellow Background

(x-1),(y-1)は共に整数

x-1>0,y-1>0より

(x-1)(y-1)<0を満たすには

x-1=0,y-1=0を満たす必要がある

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Circle Shape Outline

a

・・・・

Circle Shape Outline

a

とおく。

Sketch Bracket Line
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x-1=y-1=0のとき

となり不適。

,

のとき

Sketch Bracket Line

《岡進研の学年別育成プログラム》

学年別基本コース

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(ⅲ)-a

y-1=0のとき

,

x≠0より

これが必要条件となる。

xのみの式を作る

とおく。 式が自然数解を持つのは、

f(x)=0を満たすxが自然数であることに同値である。

f(x)を微分して増減を調べ、解を求める

関数として処理する

Green Gradient Background

f(x)は単調増加と分かる。つまり、

Sketch Bracket Line

1

2

1<x<2の間に解を持つ

f(x)=0となるxは一つのみである。

(符号逆転が解となるx)

f(1)=-1<0、f(2)=3>0より

horizontal line

f(x)は1<x<2の間に唯一の解を持つ、つまり

Circle Shape Outline

a

式は自然数解を持たないことが分かる。

よってこの場合は不適である。

x=1のときも式の対象性を考慮し、結果は​y=1のときと同様となる。

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(ⅲ)-b

(ⅳ)

orange background

(ⅲ)より

を連立させると

x+y>0より両辺を(x+y)で割り

xy<2

x≧1,y≧1より上記を満たす(x,y)は

絞り込み

(x,y)=(1,1)のみである。

へ代入して

zが自然数とならないため不適。

以上、(ⅰ)~(ⅳ)より全ての場合において自然数解(x,y,z)は存在しない。

《証明終》